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アーカイブ:2009年06月
白い壁に、作品が点々とならぶ静謐な空間―たぶん、これが一般的な「美術館」イメージだと思います。
確かに、完成してしまった展覧会場は、お行儀のよい顔で静かにお客様をお迎えしますが、その会場をつくっている最中はにぎやかそのもの。ベニヤ板などの資材が山と積まれ、大工さんや経師屋さんがおおぜい入り、トンカチの音が響いてペンキの匂いが充満する、そんな活気あふれる現場なのです。
7月4日から始まる「メキシコ20世紀絵画展」は、今まさに会場づくりの真っ最中。そしてこの会場が、ちょっと変わっています。ふだんは白くて四角い展示空間のあちこちに、高さ4.5メートルもの壁面が、ちょうど迷路をつくるように次々と建てられ、まさに迷宮をさまよう感覚になるしかけ。
しかもその高い壁一面に、今回は赤や緑のペンキが塗られていきます。クラクラするような、ドラマティックな舞台装置にも思えてきます。
この舞台装置のなかに、いよいよ作品が置かれるのは数日後。展覧会オープンまで秒読みです。
音もなく景色に溶け込む長雨が、梅雨の到来を感じさせる今日この頃です。
私たちにとっては、ジメジメとして過ごしにくい気候ですが、草花や生きものは、みんな生きいきしているようにみえます。朝、美術館への道すがらも、紫陽花の花が目を楽しませてくれます。
世田谷美術館分館・宮本三郎記念美術館は自由が丘という立地から緑の少ない環境かと思われがちですが、九品仏や奥沢など、小ぢんまりとして味のある地域に囲まれ、お散歩コースとしてもお勧めです。
昔ながらの商店街や、由緒あるお寺など歩くたびに、新しい発見のある街です。皆さんもぜひ、カメラ片手に、あるいは好きな音楽をおともに足を運んでみてください。そして、お買い物やお散歩をたっぷり楽しんだあとは、宮本館の夜のイベント「音広場」へぜひ!
「音広場」は開館以来、20回を数える人気イベントです。年4回、季節ごとに様々なジャンルのアーティストをお迎えして、一夜限りのスペシャルライヴを行っています。
先日はジャズトランペッターの五十嵐一生さんをお迎えし、春のJazzNightを開催しました。これまでにもボーカルをフィーチャーしたり、テーマをスクリーンミュージックやスタンダードナンバーに絞ったりと、様々な角度からジャズライヴを行ってきましたが、今回はよりビターな大人の夜になりました。
なかでも、パーカッショニストのミン・ヨンチさんとのセッションは、聴きごたえじゅうぶん!トランペットと韓国の伝統楽器が紡ぎだす音と空気は、私たちを幻想的な世界へといざなってくれました。
昼間とは違う夜の美術館。音楽とともに楽しむ絵画は、また普段とは違う味わいがあると思います。
次回の音広場は8月30日。夏らしいラテンのライヴを予定してます。お申込み、詳細は、宮本館のホームページにて、6月25日アップ予定です。
雨の日は雨なりに、晴れの日は晴れなりに。夏の到来を待ちながら、ゆったりと過ごす美術館でのひととき。皆さまのお越しをお待ちしております。
美術館は日本全国にいったい何館ぐらいあるのでしょうか?
大きな美術館から小さな美術館、国立や公立から財団や私立の美術館まで、その大きさや運営母体、そして専門分野は、ほんとうに多岐にわたっています。
全国的な実態調査は文部科学省が行っており、3年ごとに調査結果が、ホームページに掲載されています。このホームページで、今みることができるのは、平成17年度の調査結果です。歴史や民俗や水族館、動物園、文学館や美術館などすべてを寄せ集めると、こうした社会教育施設は全国で5600ほどあるようです。
そのなかで、美術系は600館を超えています。1都道府県あたりの数は600館を47で割れば、約13館ということになります。日本の人口1人あたりであるとか、県民1人あたりとか、いろいろと興味深い数字が引き出せそうです。
この秋に開催予定の「オルセー美術館展パリのアール・ヌーヴォー」では、アール・ヌーヴォーの建築家としてエクトル・ギマールを紹介するコーナーがあります。パリのメトロのあやしくも不思議に魅力的な入口をデザインした建築家です。
パリ16区は、ギマールによるアール・ヌーヴォーの建物が現在も多数残る地区として知られていますが、その中でも最も有名なのが、「カステル・ベランジェ」と呼ばれる集合住宅です。
ギマールは、この建築によってパリ市ファサード・コンクールで受賞し、建築家としてのスタートを切りました。この建築がなければ、パリのあのメトロの入り口はなかったことになる、という重要な建物です。
たしかに、柔らかなカーヴを描く鋳鉄の門扉、入口ホールの少々おどろおどろしい陶器製の壁、ステンド・グラスなどそのディテールは、若きギマールの才能が遺憾なく発揮されていて、歴史に残る名建築であるのは間違いなく、見ていて飽きません。今回、このギマール建築の紹介のため、撮影に行ってきました。
今年はタイミングよく満開の桜を清川泰次記念ギャラリー(世田谷美術館分館)のある成城エリアを含め、たくさんのところで見ることができました。桜の花の命は短くて、悪天候などにぶつかると一番いい時期を見逃す年もありますが、今年は本当によかった!
現在、清川泰次記念ギャラリーの庭は、まばゆいほどの新緑です。展覧会をご覧いただき、さらに目の保養として小さな庭の花々を合わせてお楽しみください。
毎年、世田谷美術館の収蔵品に新しい顔が加わります。
新たに収蔵された作品はカビや虫害の被害を受けないようにするために、まず燻蒸(*)します。これは文化財を末永く収蔵庫で保管するために必要な措置です。
みなさん、世田谷美術館の1階と成城にある分館・清川泰次記念ギャラリーに、区民ギャラリーがあるのをご存知ですか?
週替わりで、世田谷区を活動拠点とした方々が作品を発表しています。グループ活動や絵画教室などの発表であったり、個人の方の作品展であったり、区内の小中学校の作品展であったり、絵画あり、彫刻あり、写真あり、書あり、工芸ありと、その時々に様々な作品が展示されています。いずれも力作揃いです。
美術館ホームページでも展示内容のご案内をしていますが、どなたでも入場無料ですので、世田谷美術館、清川泰次記念ギャラリーにいらした時に覗いてみてはいかがでしょうか?
企画展や収蔵品展とは違った世界に出会えるかもしれませんよ。