Ars cum natura ad salutem conspirat

夜景としての世田谷美術館


内井昭蔵(1933-2002)によって設計された世田谷美術館は、都立砧公園の一角に建っています。


世田谷美術館は1985年に竣工し、翌春に開館し、建築としておよそ四半世紀の歳月を重ねてきました。地上2階で、かまぼこ型の屋根を冠する世田谷美術館は、砧公園に繁茂する木々のなかに静かに息づいています。


時間の経過とともに建築周辺の木々は成長し、世田谷美術館は周囲の自然となじみ合い、公園に棲む森の精霊たちの加護を受けているように感じられます。

世田谷美術館の公園に面したいくつもの窓は、開催中の「内井昭蔵の思想と建築」展の展示のために、おおきく開け放たれています。日没の早いこの季節、大ぶりな窓たちが放つ光は神秘的な美しさをともない、公園をほのかに照らしています。そうした世田谷美術館のすがたは、さまざまな樹種に恵まれた砧公園のなかで、静かな夜景として浮かびあがります。


展覧会をご覧になったあと、夕景のなかに溶けこむように砧公園を散策するのも、また味わい深いひと時なのではないでしょうか。


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