Ars cum natura ad salutem conspirat

プロムナード・コンサート


みなさま暑い日がまだまだ続いておりますがお元気でしょうか。


当館では定期的におこなっているコンサートがあります。9月で216回目を迎えることになるこのコンサートは若手アーティスト育成の場として、開館当初から無料でお客様に提供いたしております。


最近は美術館でコンサートをおこなうところも多くありますが、絵や彫刻を展示する美術館で、コンサートをおこなうことに違和感を持たれるかたもいらっしゃるかもしれません。


ここで少し美術と音楽の親しい関係についてお話をさせていただこうと思います。

古代ギリシアにはムーセイオンとよばれる神殿がありました。

これは9人の女神であるミューズに捧げられた神殿でした。全能の神ゼウスと記憶の神ムネモシュネーから生まれた9人の学芸の女神はそれぞれカリオペ(叙事詩)、クレイオ(歴史)、エウテルペ(叙情詩)、タリア(喜劇)、メルポメネ(悲劇)、テルプシコホレ(舞踏)、エラト(恋愛詩)、ポリュムニア(聖歌)、ラウニア(天文学)です。記憶の女神を母に持ち、人間の体の記憶に直接関わる営みこそが、当時は「芸術」として尊ばれていたそうです。

その後、プラトンがアカデメイアを、アリストテレスがリュケイオンという教育機関を設立し、両者もミューズの女神たちを庇護するムーセイオンを設けたといわれています。そしてミュージアムの直接の起源とされているプトレマイオスの1世もアレクサンドリアにムーセイオンを設立いたしました。これはエジプトのギリシア化のためにつくられたもので、美術館、大学、図書館、動物園、植物園、天文台を備えた一大総合教育機関でした。


美術館で詩の朗読をおこなうこと、演劇やパフォーマンスをおこなうこと、歌や音楽活動をおこなうこと、全てミュージアムという語源を辿ると納得のいくことなのかもしれません。


次回のプロムナード・コンサートは9月20日(月・祝)です。締切は9月1日(当日消印有効)になります。みなさんのご応募お待ちしております。


少し涼しくなった砧公園を散歩しつつ、美術館でコンサートをお楽しみいただけると幸いです。


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