Ars cum natura ad salutem conspirat

イタリアの部屋でみる夢 ある日のこと-1


「イタリアの部屋でみる夢」。

今、世田谷美術館で開催中の展覧会のタイトルです。

これはどうも映画や小説のタイトル、あるいはワインの名前にでもありそうです。

ここに紹介する作品は、すべて世田谷美術館の所蔵作品です。

アーティストを生年順にご紹介すれば、ジュゼッペ・カポグロッシ、ペリクレ・ファッツィーニ、サンドロ・キア、ミンモ・パラディーノ、エンツォ・クッキ、そしてフランチェスコ・クレメンテの6人です。

とくにキア、パラディーノ、クッキ、クレメンテは、1980年代、ニューペインティングの旗手として、大活躍しました。


1980年代、世界のアートシーンを席巻したニューペインティングの旗手として活躍した彼らの表現には、描くことへの純粋な衝動、野性味溢れる創造意欲が満ち溢れています。現代社会を鮮烈に反映しつつ新たな表現の地平を切り拓き、国際的な喝采を浴びた彼らの作品には、人間が長い歴史の中で培ってきた描くことへの純粋な衝動が宿っているように思えます。

彼らの作品が並ぶイタリアの部屋には、時の流れの中で研ぎ澄まされてきた美への感性と、野性味がにじむラテンの血潮から生み出された独創的な力強さが混淆しています。イタリアの部屋に広がる洗練された色と形が、皆さんに素敵な夢をもたらすことを願ってやみません。


展覧会は6月30日まで開催しています。

世田谷美術館は、7月1日から来年の3月末まで、改修工事のために休館しますので、この展覧会で、皆さまとは、しばしのお別れということになります。


どうか、お時間をみつけていただき、ご来場下さい。


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