Ars cum natura ad salutem conspirat

《母衣曼荼羅》(全体図)2016年

志村ふくみ――母衣(ぼろ)への回帰

2016年9月10日~11月6日 1階展示室


開催概要

志村ふくみは、現代日本の染織分野に独自の世界を展開する卒寿を超えてなお現役の染織家です。1924(大正13)年、滋賀県近江八幡市に生まれ、母・小野豊の影響で、織物を始めました。1957(昭和32)年の第4 回日本伝統工芸展に初出品で入選し、その後も受賞を重ねます。そして、1990(平成2)年には、紬織の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。

草木からの自然染料で染められた糸によって織り上げられた作品は、多くの人を魅了し、国際的にも高く評価されています。「民衆の知恵の結晶である紬の創作を通して、自然との共生という人間にとって根源的な価値観を思索し続ける芸術家」として、2014(平成26)年に第30 回京都賞(思想・芸術部門)を受賞し、2015(平成27)年には文化勲章を受章しました。
京都国立近代美術館(2016年2月2日‐3月21日)、沖縄県立博物館・美術館(2016年4月12日‐5月29日)に続く巡回展の最終会場となる本展は、東京において、志村ふくみの作品が初めて本格的に紹介される機会となります。
代表作を中心に、初期の作品から最新作までを一堂に展示することで、60 年におよぶ創作の歩みを紹介するとともに、志村ふくみの魅力とその芸術の核心に迫ります。
世田谷美術館では、当会場のための新作2 点も発表されるほか、特別展示としてゲーテやシュタイナーの色彩論につながるコーナーを設けます。



基本情報

会期:2016 年9月10日(土)~11月6日(日)
※会期中大幅な展示替えを行います(前期 9月10日~10月10日、後期 10月12日~11月6日)。
開館時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)
休館日:毎週月曜日 
※ただし9月19日(月・祝)・10月10日(月・祝)は開館、9月20日(火)・10月11日(火)は休館
会場:世田谷美術館 1階展示室
観覧料:一般1000(800)円、65歳以上800(600)円、大高生800(600)円、中小生500(300)円 
※障害者の方は500(300)円。ただし小・中・高・大学生の障害者は無料、介助者(当該障害者1名につき1名)は無料。
※( )内は20名以上の団体料金。
●リピーター割引 会期中、本展有料チケットの半券をご提示いただくと、2回目以降は団体料金にてご覧いただけます。
主催:世田谷美術館(公益財団法人せたがや文化財団)、京都国立近代美術館
特別協力:滋賀県立近代美術館
後援:世田谷区、世田谷区教育委員会
協賛:株式会社 資生堂
プレスリリース
画像貸出申込書


関連企画

講演会「炎の霊性――志村ふくみと色彩の詩学」
10月16日(日)14:00 ~ 15:30

「美紗姫物語」
10月14日(金)、15日(土) 各回19:30 ~ 20:30(開場19:00)

草木染体験ワークショップ
「セタビで染めるオオクヌギ150 年の色」

10 月10 日(月・祝) ①10:30 ~ 12:30、②14:30 ~ 16:30

子ども× 大人ワークショップ
「しむらのいろ―草木から生まれる色の世界」

10月15日(土)13:00 ~ 16:00

100円ワークショップ
会期中の毎土曜日 13:00 ~ 15:00



その他

※所蔵先を明記していない掲載作品はすべて個人蔵です。




展示構成

1.未来への祈り―母衣曼荼羅と十二の色

最初のコーナーでは、サブタイトルにも関連する本巡回展のために制作された《母衣(ぼろ)曼荼羅》や、植物から生み出される日本の色を、一色ごとに一着の着物に仕立て、志村ふくみがそれぞれに名前をつけた十二色の着物の新作を展示します。また高野山の植物で染めた袈裟などを展示し、未来に向けた祈りの空間をつくっています。


《薫梅》2015年

《朱茜》2015年


2.代表作で辿る60年の歩み
(1) 琵琶湖シリーズ

志村ふくみの染織のルーツに繋がる琵琶湖をテーマとしたシリーズ。これまでの代表作から最新作までを展示します。


《光の湖》1991年 京都国立近代美術館 <前期展示>


(2) 文学の世界

文筆家としても知られる志村ふくみの豊かな文学性に根ざした作品を展示します。
①リルケの『ドゥイノの悲歌』、折口信夫の『死者の書』、石牟礼道子の新作能『沖宮』などの文学作品に触発されて制作された作品を展示いたします。
②源氏物語  
日本の色彩が繊細芳醇に花開いた平安時代。色が導く壮大な人間模様を描いた物語をテーマにした作品群を展示します。


《レクイエムⅠ》2015年 <後期展示>

《鈴虫》1959年 滋賀県立近代美術館 <前期展示>


(3) 一色一生

琵琶湖や文学ばかりでなく様々なテーマで制作された代表作を始めとして、2014 年に資生堂ギャラリーで開催された「せいのもとで」に展示された《經》を発展させたインスタレーション《光の經》や、志村ふくみがこれまで制作した裂地を春夏秋冬のイメージで美しい裂張りの裂箱に収めた《小裂帖》、小さな着物の形に切って貼り付けた無地や模様の雛形を展示します。
また、今回の世田谷美術館の展示では、ゲーテの『色彩論』やシュタイナーの『色彩の本質』に深く感応した志村ふくみの作品も加えて紹介いたします。


《光の經》2014年

《風露》2000年 <前期展示>


3.原点を想う(出逢いに導かれて)

志村ふくみに染織を教えた母・小野豊や精神的な支えともなった兄・小野元衛の作品、志村ふくみの活動を後押しし、支えた、木漆工芸家・黒田辰秋、陶芸家・富本憲吉などの作品を志村ふくみの初期作品などと併せて展示します。


《秋霞》1959年 京都国立近代美術


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