神秘的な白夜と発達した福祉――スウェーデンといえば誰もがそんなイメージを思い浮かべます。でも、私たちはこの国の歴史と文化について、何を知っているのでしょうか。本展は、スウェーデンの歴史と文化を正面から見据えようとするものです。伝統ある王室コレクションを基に18世紀末に創設されたスウェーデン国立美術館は、世界で最も古い美術館のひとつとして知られています。今回はそのコレクションの中から、レンブラント、シャルダン、ブーシェ、セザンヌなど西欧絵画の巨匠たち、さらにはアンデシュ・ソーンやカール・ラーションなどスウェーデンの国民画家を含めて、油彩69点、水彩、ドローイング41点の計110点を選んで展観します。そこには、近代スウェーデンの歴史と、スウェーデン美術の精神が共に示されています。澄みわたる青い夏と暗く長い冬、そして、そこに息づく清明なロマンティシズム――スウェーデンがこの夏東京にやって来るのです。