「第4回アジア美術展」は、開館以来、一貫してアジア諸国との美術文化交流を目指してきた福岡市美術館がほぼ5年ごとに開催を重ねてきた汎アジア美術展です。アジアの現代美術に焦点を絞り、これを包括的に紹介する企画は、世界においても始めての意欲的な試みでもあります。本展は、福岡展の中から作品を特にインスタレーションを中心に絞り、東京展として世田谷美術館においてより多くの方々に御覧頂こうというものです。
第4回としての本展は、特に1990年代に入り、アジアの美術に顕著となってきたひとつの傾向に注目しています。これまで、アジアのアーティストたちは、自らの独自性を自国の豊かな伝統に求めようとしてきました。そしてアジア美術をみる側の期待もまたそこにあったことも否めません。しかし近年になって、そのような型にはまった発想から抜け出し、自分たちの切実な現実を身近な技法や素材を用いて素直に表現していこうとする傾向が見られるようになりました。本展は、「偉大な固有の伝統」と「進んだ西洋文化」という二元論的なアジア美術の枠組みを超えて、新たな独自性を追求していこうとするアジアのアーティストたちの多様な「時代を見つめる眼」を紹介しようとするものです。参加アーティストは19か国にわたり、社会的、現実的な主題、インスタレーションなど従来とは異なる表現形式も多く見られ、これまで欧米的視覚に無意識のうちにならされていた私たちに強烈な印象を残すことでしょう。
第4回としての本展は、特に1990年代に入り、アジアの美術に顕著となってきたひとつの傾向に注目しています。これまで、アジアのアーティストたちは、自らの独自性を自国の豊かな伝統に求めようとしてきました。そしてアジア美術をみる側の期待もまたそこにあったことも否めません。しかし近年になって、そのような型にはまった発想から抜け出し、自分たちの切実な現実を身近な技法や素材を用いて素直に表現していこうとする傾向が見られるようになりました。本展は、「偉大な固有の伝統」と「進んだ西洋文化」という二元論的なアジア美術の枠組みを超えて、新たな独自性を追求していこうとするアジアのアーティストたちの多様な「時代を見つめる眼」を紹介しようとするものです。参加アーティストは19か国にわたり、社会的、現実的な主題、インスタレーションなど従来とは異なる表現形式も多く見られ、これまで欧米的視覚に無意識のうちにならされていた私たちに強烈な印象を残すことでしょう。