リチャード・ロングはイギリスを代表する現代作家の一人であり、1960年代の終りから自然と人間の行為をテーマに多くの作品を発表してきました。1945年、ロンドンの北にあるブリストルで生まれた彼は、豊かで厳しい自然との交感を通して感性を育みました。従来の彫刻や絵画と異なり、彼の作品は自然との交感を実にさまざまな形であらわすものであり、大きく三つに分けることができます。一つは自然の中を歩き、その痕跡を、足跡や、現場の石を使ってつくるささやかなモニュメントを通して表し、これを写真で記録した作品。二つ目は、泥を使って展示室の壁にたたきつけるようにして描いたダイナミックなマッド・ドローイング、三つ目は、その土地の石や枝を使って美術館の中で制作する、サークルや方形などの古代遺跡を思わせる抽象的で簡潔なインスタレーションです。
歩くことは時間と自然が作り上げる彫刻、と語るロングは日本禅庭や自然に深く共鳴し、これに心酔しています。今回の展覧会は我が国で初めての本格的な回顧展であり、過去の写真やインスタレーションの代表作とともに、日本の石を使った新作、マッド・ドュローイングなどが展示されます。自然への敬虔な祈りと力強さに満ちた空間は、見るものを深い観賞と冥想へと誘うことでしょう。
歩くことは時間と自然が作り上げる彫刻、と語るロングは日本禅庭や自然に深く共鳴し、これに心酔しています。今回の展覧会は我が国で初めての本格的な回顧展であり、過去の写真やインスタレーションの代表作とともに、日本の石を使った新作、マッド・ドュローイングなどが展示されます。自然への敬虔な祈りと力強さに満ちた空間は、見るものを深い観賞と冥想へと誘うことでしょう。