戦後の混沌のなか、多くの芸術家たちが、「前衛」を標榜した熱き時代、草月流の初代家元、勅使河原蒼風(1900〜79)は従来の「いけばな」を革新し、彫刻や、絵画や書といった他領域へも越境して、独自の表現を展開。さらに国内外の諸芸術家とも広く交流し、多くの才能を抱きこんで、「草月」という名の文化風土を時代のなかに深く浸透させていきました。それは華道界のみならず、戦後日本の文化史全般に計り知れない影響を残したといっていいでしょう。本展では、その多彩な作品群とともに、蒼風が収集した国内外の美術品や、関連資料・写真などを織りまぜて展示し、「異色の前衛」蒼風を軸に、戦後の激動の時代を検証します。