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刊行物

『ボローニャ展帰国記念 70年代日本の前衛 抗争から内なる葛藤へ』

[カタログ/1993年発行]

-開催概要から-

 世田谷美術館では、ボローニャ市立近代美術館と共催でイタリアにおいて「1970年代の日本美術展」を開催することになりました。本展はその帰国記念展として開催されるものです。ボローニャは、北イタリア第四の都市で古い文化伝統を誇り、ヨーロッパの現代美術の分野でも一大中心地をなしています。その有力な推進力になっているのがボローニャ市立近代美術館で、ここでの日本美術展開催は、単にイタリアというよりも全ヨーロッパ的な関心を喚起することでしょう。明治期以来つねに海外の文化を移入して近代化をはかってきたわが国は、1970年代に至ってようやく日本独自の表現と美意識を獲得するに至りました。当時のわが国の華やかな経済発展に相呼応するかのように、美術界には深い哲学的、論理的、美学的思考に支えられながら、一見地味ではあってもきわめて多様な作品を試みる作家たちが現れてきたのです。本展は「具体」の後をうけて、「もの派」から日本独自の表現を継承・発展させようと努めた試行錯誤の70年代を、現在の諸傾向の芽をみせ始めた現代美術の重要な転換点として眺めかえそうとするものです。この時代を代表する作家14名の作品約40点が一堂に展観されますが、既に失われてしまった重要な作品は、作家たちが会場で再制作を試みるほか、70年代当時行われたパフォーマンスについても、できる限り忠実に再現していきます。

目次 なし

〔作家リスト:伊藤公象、榎倉康二、河口龍夫、北辻良央、シュウゾウ・アヅチ・ガリバー、菅木志雄、田窪恭治、辰野登恵子、彦坂尚嘉、堀浩哉、松澤宥、李禹煥〕



奥付

編集:

逢坂恵理子、小山奈緒美

世田谷美術館(勅使河原純、石井幸彦、北村淳子)

発行:70年代日本の前衛展実行委員会

制作:印象社

© 1993 Committee for "Avanguardie Giapponesi degli Anni 70"

Setagaya Art Museum, Tokyo

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