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企画展(終了)
─時代を超えて個を貫いた親子三代の物語 愛娘をモデルとした〈麗子像〉の連作で広く世に知られている画家・岸田劉生は、独自の美を求めて葛藤を重ねた大正洋画壇の巨星でした。その劉生には、傑物ともいうべき父がいました。その名は吟香。激動の幕末・維新期に、洋の東西を遠く見すえた開明派の文化人として、各方面で活躍しました。また、劉生が38歳で早世したのち、長女・麗子は演劇人・画家としての生涯を生き、最晩年には詳細にわたる父・劉生の評伝を書き上げました。 本展では、吟香にまつわる稀少資料や、吟香と交流のあった同時代人の作品に加え、劉生の代表作〈麗子像〉やそのモデルとなった麗子の遺作などを一堂に集めて、それぞれの個を貫きとおしたこの稀有なる親子三代の物語をたどります。独りわが道をゆくことを恐れなかった生き方は、明治・大正・昭和を通して、吟香・劉生・麗子に等しく見られる資質です。本展の目的は、時代を超えたこの知られざる精神の系譜を、日本近代史に照らして探るところにあります。
イベント(終了)
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おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、子どもや孫…。劉生の好んだ古典技法を参考に、パステルなどを使って大切な家族の肖像を描いて美術館に展示しよう。展覧会終了後(~4月6日)は肖像画を郵送にてご返却、またはプレゼントしたい方へお送り致します。
刊行物
目次岸田吟香・劉生・麗子 年表「はじまりの吟香と美術」鍵岡正謹「劉生の初個展まで」酒井忠康岸田吟香―明治の傑物にして劉生の父吟香その人日記について/手紙について/書画について/吟香と安藤家吟香の活動横浜時代/東京日日新聞と吟香/記者としての吟香/吟香が描いた台湾/吟香と内国勧業博覧会/新聞人としての吟香/楽善堂と吟香/精錡水とは/精錡水の引札/楽善堂と社会活動/売薬と吟香/出版と吟香―楽善堂を中心に/楽善堂とアジア吟香と美術「描かれた吟香像」青木茂「内国勧業博覧会を遊歩する―岸田吟香の「博覧会の記」とともに」高嶋雄一郎岸田吟香文献再録岸田吟香略年譜岸田吟香主要参考文献目録岸田劉生―大正洋画壇の異色の星銀座生まれ・銀座育ちの劉生「新古細句銀座通」―少年時代追想/煉瓦街と居留地―ハイカラ・モダンの街で/水彩風景―画家を目指して洋画家・劉生の仕事自画像―変貌する画家の像/女性像―妻・蓁と妹・照子/童女像―麗子と於松/静物画―写実から存在の美へ/風景画―写生から自然の観照へ/肖像画―面貌から個の内面へ多芸多才の人・劉生芝居好き―演劇論までしたためる/日本画―墨画淡彩、和様の絵/童画―たとえば「かちかち山」/戯画―たとえば「ばけもの」/版画―装飾としての意匠/芸術論―美の深奥をさぐる/日記―制作と交友の日々「吟香、劉生、そして小林清親―銀座をめぐる人々」坪内祐三「岸田劉生『芸術と人生についての手記』より」杉山悦子岸田劉生文献再録岸田劉生略年譜岸田劉生主要文献目録岸田麗子―劉生の愛娘・昭和を翔る劉生とともに葉書のなかの麗子/日記のなかの麗子/児童画と図画教育表現者としての麗子新しき村の演劇部で/画室のなかで/『父 岸田劉生』へ「麗子と麗子像のあいだに生まれた絵」岸田夏子「岸田麗子―自己と劉生に向き合って」野田尚稔岸田麗子文献再録岸田麗子略年譜岸田麗子文献目録出品作品・資料目録(参考図版一覧付)奥付編集:世田谷美術館、岡山県立美術館、毎日新聞社第一部:高嶋雄一郎、橋村直樹(岡山県立美術館)第二部:杉山悦子(世田谷美術館)第三部:野田尚稔(世田谷美術館)校閲:岩田高明デザイン:梯耕治制作:印象社印刷:光村印刷発行:毎日新聞社 ©2014
ブログ
「岸田吟香・劉生・麗子」展 関連企画対談「吟香とは、いったい何者だったのか」2014年3月8日(土)に当館講堂にて実施されました。その一部をお届けいたします。話者:鍵岡正謹 (岡山県立美術館館長)・酒井忠康(当館館長)「岸田吟香・劉生・麗子 知られざる精神の系譜」展2014年2月8日~4月6日 1階展示室※セタビPodcastingについて