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セタビブログ

2021.06.24

祝! 杉田協士さんの新作長編映画『春原さんのうた』、第32回マルセイユ国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門に正式出品決定!

『春原さんのうた』海外版ポスター ©︎Genuine Light Pictures

『春原さんのうた』海外版ポスター ©︎Genuine Li…

『ひかりの歌』など、その静謐で詩的な映像世界のファンが多い映画監督、杉田協士さん。当館では、2005年度より年間講座「美術大学」の映画ワークショップの講師としてご活躍いただき、また身体表現のワークショップシリーズ「誰もいない美術館で」や、館内のパフォーマンスの記録映像などもたびたび撮っていただいています。

映画監督の杉田協士さん 写真:鈴木理絵


その杉田監督の長編第3作『春原さんのうた』が、第32回マルセイユ国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門に正式出品されます。忘れ得ぬパートナーの姿を胸に秘めながら、美術館の学芸員をやめてカフェで働く女性が主人公の本作は、選考委員全員一致によって出品が決定。映画祭総合ディレクターのジャン=ピエール・レムさんからは、「誰もが心を動かされ、言葉をなくし、涙し、映画が終えたときには限りない幸せに包まれていました」、「それはこの映画が持つ繊細さと精密さ、他に類のない見せ方がもたらした小さな奇跡です」と最大級の賛辞が寄せられているとのこと。杉田さん、本当におめでとうございます!

『春原さんのうた』海外版ポスターの別バージョン ©︎…


『春原さんのうた』より 写真:杉田協士


『春原さんのうた』撮影現場の杉田さん 写真:鈴木理絵


実はこの作品、さまざまなめぐりあわせから、当館も協力させていただくことになったものです。2020年、当館の「美術大学」を舞台に作品を撮る構想を温めていた杉田監督ですが、コロナ禍により講座が中止。撮影も叶わなくなり、監督は全く新しい発想で脚本を書き直すことに。他方、予定していた展覧会すら開催できなくなった当館では、やむなく「作品のない展示室」というプロジェクトを実施。最終日、ダンサー・振付家の鈴木ユキオさんをはじめ、当館ゆかりのアーティストが数多く参集し、無観客ではありましたが、展示室でのパフォーマンス「明日の美術館をひらくために」を実現させました。その記録映像の撮影を、杉田監督にお願いしてあったのです(同映像は世田谷美術館公式YouTubeで公開中です)。

世田谷美術館でのパフォーマンス「明日の美術館をひらく…


『春原さんのうた』のなかには、この「明日の美術館をひらくために」が少しだけ登場します。夢とうつつを行き来するようなその時間は、フィクションとドキュメンタリーのあわいにたゆたうような杉田監督の作品にあって、ひっそりと不思議な位置を占めているかもしれません。

『春原さんのうた』は、2022年新春よりポレポレ東中野などの劇場で公開予定。待ち遠しい限りですが、その前に、マルセイユの観客が「小さな奇跡」としての『春原さんのうた』をどのように受けとめるのか、現地からの報告を楽しみにしたいと思います。

・『春原さんのうた』映画祭用予告編
→『春原さんのうた』映画祭用予告編をYoutubeで見る


セタビPodcasting Vol.63-64(杉田協士氏「作品のない展示室」クロージング・プロジェクト パフォーマンス「明日の美術館をひらくために」に関連した音声コンテンツ【前編】【後編】)


杉田協士 プロフィール
1977年、東京生まれ。映画監督。2011年に⻑編映画『ひとつの歌』が東京国際映画祭に出品され、2012年に劇場デビュー。⻑編第2作『ひかりの歌』が 2017年の東京国際映画祭、2018年の全州国際映画祭に出品され、2019年に劇場公開。各主要紙や映画誌「キネマ旬報」において高評価を得たことなどで口コミも広まり、全国各地での劇場公開を果たす。他、小説『河の恋人』『ひとつの歌』を発表(文芸誌「すばる」に掲載)、歌 人の枡野浩一による第4歌集『歌 ロングロングショートソングロング』(雷鳥社)に写真家として参加するなど、幅広く活動をつづける。映画製作と並行して各地の小中高大学、特別支援学校、児童養護施設、美術館などで映画ワークショップも実施。世田谷美術館では年間講座「美術大学」にて10年以上にわたり講師を務めてきたほか、身体表現のワークショップやパフォーマンスの記録映像も多数撮影。

M.T

投稿者:M.T

2021.06.24 - 02:45 PM

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