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セタビブログ

2020.05.26

おうちで100円ワークショップ!(その3)「表装の美」

「表装の美」

「表装の美」

2004年からスタートした当館土曜日の名物イベント「100円ワークショップ」。小さいお子様から大人の方まで、どなたでもその場で気軽にご参加いただけ、開催中の展覧会に関連した満足度の高い創作体験ができる人気講座です。
ほぼすべての材料は100円ショップや文具店でそろうものばかり。
おうちで作っていただけるよう、秘伝(?)のレシピを大公開!

今回ご紹介するのは、「速水御舟とその周辺」展(2015年5月2日―7月5日)に関連して開催した「表装の美」です。
表装(ひょうそう)とは、書や絵画を鑑賞するため、保存するために掛軸(かけじく)や屏風(びょうぶ)にすることです。絵や写真を額縁(がくぶち)に入れると引き立って見えますよね?その和風版が表装といえます。
自分で描いた絵、お気に入りのポストカードなどを美しいかけじくに表装しましょう。

掛け軸 各所の名称


【材料】
・かけじくに入れる作品=タテのハガキサイズの絵、ポストカードなど
・かけじく型紙(3枚のPDFを印刷する) ⇒かけじく型紙(PDF)  ※かけじく各部の名前(PDF)
・15×15センチの折り紙3種類
 A(金や銀をつかった友禅千代紙などがベスト) 1/2枚
 B(できれば千代紙や和紙) 同じ柄2枚
 C(できれば千代紙や和紙) 1枚
・ボール紙(少し厚めの紙ならなんでも可)  15×150mm1枚
・丸棒またはタピオカ用ストロー(太さ10~12mm長さ180mm以上のもの) 1本
 ※なければボール紙で代用

材料


【必要な道具など】
・カッターまたはハサミ
・定規
・のり
・えんぴつ
・かけじく型紙を印刷するためのプリンター


【手順】

1、かけじく型紙3枚をA4の紙にプリントアウトします(動画1)
※PDF画像はそのままプリントすると縮小されてしまいます。プリンターの設定から「実際のサイズ」または「縮小をしない」を指定して印刷してください
※おりがみを貼っていくとガイダンスが見えなくなってしまうので、2枚ずつプリントするのがオススメ

(動画1)

2、かけじく台紙①と②を青い線でカットし、のりしろにノリをぬってタテに貼り合わせます(動画1)
※プリントすると上下と右が切れてしまいますが、紙のはしまで断ち落としてください


3、おりがみ型紙A・B・Cに合わせて、おりがみA・B・Cをカットします(動画2)

(動画2)


4、カットしたおりがみ、作品、八双を番号順にかけじく台紙に貼ります(動画3)
①一文字下(二つ折りにして開いている方を上)
②作品(絵ハガキなど)
③一文字上(二つ折りにして開いている方を上)
④中廻し(柱)左右
⑤中廻し(下)
⑥中廻し(上)
⑦地
⑧天
⑨風帯
⑩八双(ヒモをつけて、うらがわの一番上に横に貼る)


(動画3)

5、地の「山折り」を折って、のりしろウラにノリをつけ、うらがわに貼ります。折り目の間にタピオカストローを差し込みます(動画3)
※タピオカストローの両端に黒や金色のマスキングテープを巻くと更に本格的になります

6、できあがり!

完成!



同じ作品もおりがみA・B・Cの組み合わせを変えるとまた違った美しさを楽しめます。作品をいっそう引き立てる表装をいろいろ試してみましょう。

別バージョン


今回、表装をした作品は当館のコレクションより、平福百穂(ひらふくひゃくすい)の「誉謝女王(よさのひめみこ)」です。日本画家であり、歌人でもあった平福は飛鳥時代の歌人、誉謝女王が詠んだ万葉集の歌をモチーフに描いています。
「流らふる雪吹く風の寒き夜に我が夫の君はひとり寝らむ」
遠く離れたところにいる愛する家族を思う歌です。

(写真・平福百穂(1877-1933)《誉謝女王》制作年不詳 紙本着色)

平福百穂(1877-1933)《誉謝女王》制作年不詳…



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投稿者:C.A

2020.05.26 - 05:00 PM