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セタビブログ

2020.02.08

2月8日より「村井正誠 あそびのアトリエ」展がはじまりました。

「村井正誠 あそびのアトリエ」 会場入口

「村井正誠 あそびのアトリエ」 会場入口

洋画家・村井正誠(1905-1999)は、戦前は新時代洋画展や自由美術家協会、戦後はモダンアート協会の創立メンバーとして、画壇に新風を送り続けた抽象絵画のパイオニアです。

2月8日(土)より始まりました「村井正誠 あそびのアトリエ」展では、油彩で村井の画業をたどるとともに、版画、オブジェ、素描・水彩などで多彩な創作活動を、また村井のアトリエに遺されていた蒐集品で作品が生み出されたアトリエを紹介し、村井の造形にひそむ「あそび」の精神を探ります。


「村井正誠 あそびのアトリエ」 扇形展示室



本展は、オブジェから始まります。
会場に入ってすぐの扇形の展示室には、アルミニウム鋳造の大型レリーフ「自画像」3点が展示されています。そのまわりには村井のアトリエに遺されていた、お気に入りの民芸品や古道具などが置かれています。村井の創作の裏側が垣間見えるコーナーとなっています。


オブジェに続く展示は〔はじまり〕。ここでは、1920年代後半から1930年代半ばの抽象から具象へと移り変わる村井の絵画作品をご覧いただけます。

「村井正誠 あそびのアトリエ」 〔はじまり〕



展覧会は10のパートに分かれています。絵画作品は時系列およびモチーフによって〔はじまり〕、〔幾何学的抽象と都市〕、〔顔〕、〔天使と聖母子〕、〔人〕、〔黒〕、〔日本〕の7つのキーワードでわけて展示されています。
村井の絵画は一貫して「人」をテーマとしています。おおらかであたたかい独特の雰囲気を感じてください。

「村井正誠 あそびのアトリエ」 〔幾何学的抽象と都市…


「村井正誠 あそびのアトリエ」 〔人〕



展示ケースの中には、素描や水彩、貼り絵が展示されています。村井の多彩な造形の魅力に迫ることができます。

「村井正誠 あそびのアトリエ」 貼り絵



村井はたくさんのオブジェを制作しており、本展でもおよそ70点のオブジェが展示されています。
村井はオブジェを「絵が実際の形に立体化したもの」と考えていました。木材の切れ端や石膏ブロックを組み合わせたものから、小型のブロンズ像や絵付けした陶器、アルミニウム鋳造のレリーフまで、その素材や大きさは多岐にわたります。平面作品とは一味違う、村井の遊び心が伝わってくる魅力的な作品をご覧ください。

「村井正誠 あそびのアトリエ」 オブジェ



「版画は油彩では表現できないものを出すための手段」と考えていた村井は、版画制作にも早くから取り組んでいました。村井の色とかたちの面白さをお楽しみいただける、20点が展示されています。

「村井正誠 あそびのアトリエ」 〔版画〕


「村井正誠 あそびのアトリエ」 〔日本〕


最後のパート〔日本〕では1980年代後半から最晩年までの「色の時代」と呼ばれる絵画作品が展示されています。生涯を通じて「人」をテーマとして抽象を描きつづけた村井の集大成をご堪能ください。

皆さまのお越しをお待ち申し上げます。

A.R

投稿者:A.R

2020.02.08 - 01:00 PM

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