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企画展(終了)
本展は、「企業と美術シリーズ」の第5回として企画し、開催するものです。当館ではこれまでに、資生堂(2007)、髙島屋(2013)、東宝スタジオ(2015)、竹中工務店(2016)とタイアップし、この「企業と美術シリーズ」を開催してまいりました。このシリーズのねらいは、人間の暮らしと密接な関係をもつ企業活動のなかで蓄積された、さまざまな文化的な側面に光をあて、各企業が保管している多種多様な資料を、歴史的、社会的な文化資源としてとらえ、そこから、私たちの日常の変化や展開、また社会の変遷を探ることにあります。このたび、東急株式会社のご理解とご協力のもと、「東急 暮らしと街の文化――100年の時を拓く」を開催することとなりました。世田谷区内には世田谷線、田園都市線、大井町線、目黒線が走り、区内に駅は所在しないものの東横線も世田谷区民にとっては大切な暮らしの路線であり、東急バスの各路線が面的に地域をカバーしています。世田谷区南部のほとんどが、東急各線の沿線地域であるといっても過言ではありません。東急の鉄道事業は、その多くが宅地開発と結びついており、その草創期は洗足、大岡山、田園調布の開発に根をおろし、戦後は多摩川を越えて、良質で大規模な多摩地域の宅地開発へと結びついています。田園都市線という名が示すとおり、東急は今もなお、田園と人間生活が交わる住環境を醸成し、たんに利便性を追求するのではなく、豊かな暮らしの時を提案しつづけていると言えましょう。また、本展では、東急沿線に住んだ世田谷の美術家たちの仕事にも目を向け、さらに五島育英会、東急財団、五島プラネタリウム、五島美術館、電車とバスの博物館、Bunkamuraなどの社会的な事業も紹介し、それぞれが相まって、東京という大都市圏における生活基盤の整備に、どのようにコミットしてきたのかを探ります。―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――※会期中に、一部の作品の展示替えがあります。前期:11/30(土)~12/28(土)/ 後期:1/4(土)~2/2(日)詳細は画面を下にスクロールし、「主な作品」の出品リスト[PDF]をクリックしてご覧ください。―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――●展示構成第1章 「暮らしの時を運ぶ」/東急の輸送事業東急各線にまつわる、さまざまな鉄道関係資料、そしてバス事業関係資料などをご紹介します。鉄道やバスのファンのみならず、東急各線になじみの深い方々にとっては、懐かしい世界もお楽しみいただけます。第2章 「街の時を拓く」/東急の街づくり東急の揺籃である田園都市株式会社が1920年代に手がけた住宅地、そして戦後に東急が取り組んだ多摩地域における「現代の田園都市」づくりについて、歴史史料、模型、パンフレット類の資料をとおしてご紹介します。第3章 「沿線に寄り添う創造」/東急沿線に居住した美術家たち東急沿線に住んだ世田谷区ゆかりの美術家たちをご紹介します。絵画、彫刻から現代美術まで、総勢40人を超えるバラエティに富んだ表現が一堂に会します。あわせて、文学者の作品や言葉などもご紹介します。第4章 「文化を拓き、育てる」/東急の文化的社会貢献天文博物館五島プラネタリウム、学校法人五島育英会、五島美術館、Bunkamura、東急財団(旧・五島記念文化財団)など、東急がこれまでに取り組んできた文化的な社会貢献活動、また、多摩川スピードウェイ、駒沢野球場、田園コロシアムなど、東急とゆかりの深い歴史的な事業も取り上げ、貴重な諸資料を交えつつご紹介します。●展覧会の見どころ1. 電車とバスの博物館が全面協力。多彩な鉄道・バス資料を一挙公開!鉄道とバスの車両模型、昭和期の手描きの車両図面、歴代の記念乗車券の数々に加え、改札鋏や切符発券台など、懐かしい鉄道アイテムも展示します。2. レールやマンホール蓋… おどろきの資料も展示!渋谷駅再開発工事で発見され話題となった旧玉川線の遺構レールや、田園調布のマンホール蓋といった実物資料をはじめ、五島プラネタリウムや、多摩川スピードウェイなど、普段目にすることのできない貴重な資料群をご紹介します。どうぞお楽しみに!3. バラエティ豊かな美術家たちを紹介!竹久夢二や岡本太郎、河原温など、総勢40名を超える東急沿線に住んだ美術家たちをはじめ、五島記念文化賞を受賞した石田尚志や堀江栞といった現代アーティストまで、幅広い世代とジャンルの表現を一堂に集めます。4. ミュージアムショップには東急グッズも!ミュージアムショップでは、鉄道ファンならずとも、思わず手に取ってしまうような東急グッズも多数展開します。どうぞお楽しみに!
企画展(終了)
現代の人間像を鋭く見つめ、戦後美術に確かな足跡を印した画家・麻生三郎(1913-2000)。その生誕110年を記念し、麻生が世田谷に住んだ25年間に焦点を定めた展覧会を開催いたします。 戦争末期の空襲で豊島区長崎のアトリエを失った麻生は、1948年、世田谷区三軒茶屋にアトリエを構えました。この再出発の地から《ひとり》(1951年)や1950年代半ばにくり返し描いた《赤い空》の連作など、戦後復興期の代表作が生まれました。 1960年代には、安保闘争やベトナム戦争といった社会問題に麻生は作品を描くことで向き合い、個の尊厳をきびしく問います。一方、虫や小鳥など、身近なものにも澄んだまなざしを向けました。しかし、首都高速道路や地下鉄の建設工事で制作環境が悪化し、1972年、麻生は川崎市多摩区生田へと転居しました。 本展では、麻生が三軒茶屋時代に描いた油彩、素描あわせて約110点をはじめ、野間宏、椎名麟三など文学者たちとの交流を示す挿絵や装丁の仕事も集め、時代と対峙した、その創作の軌跡をたどります。 また、この時期に麻生が強く惹かれ自ら作品を蒐集した作家に、20世紀アメリカを代表する社会派の画家ベン・シャーン(1898-1969)がいます。その人生の集大成といわれる版画集『リルケ「マルテの手記」より 一行の詩のためには…』全24点を含む麻生旧蔵の作品群も本展でご紹介します。 麻生三郎が描きだした時代の景色、そして深々と共感したベン・シャーン作品をあわせてご覧いただき、その重なり合いを今、味わっていただければと思います。
ミュージアム コレクション(終了)
第二次世界大戦末期、1945年4月の二回目の東京大空襲は、森芳雄(1908-1997)の恵比寿のアトリエにあった作品や家財道具をほぼすべて焼き尽くしました。終戦後、焦土と化した東京で、森芳雄は敗戦の痛手と共に、大切な作品を無くした喪失感から来る虚無感に苛まれました。窮乏の中、妻とふたりの幼子を抱え、森芳雄は当時の日本の置かれた苦しい精神状況を、男女ふたりの裸体像を通して見事に捉え、戦後の洋画界の金字塔とされる《二人》(1950年、紀伊国屋書店蔵)を描き上げました。森芳雄の画業の中心は親子の強い絆を描いた母子像、生命力溢れる裸婦像、若者を扱ったエネルギー漲る青年群像などの人物画です。風景画や静物画もありますが、いずれのテーマも周囲の身近なものへの優しい眼差しが注がれています。《二人》と同様に、人物画の場合は人を特定する顔の細部を描かず、暗褐色の落ち着いた色調を使い、面や線、陰影などで構成した独特の具象絵画で、人物を組み込んだ抽象画のようにも見えます。新しい具象絵画を切り拓こうとする意欲が感じられるでしょう。昨年、森芳雄氏の遺族や関係者から代表作を含む油彩、素描などの寄贈がありました。本展では新規寄贈品を初公開するとともに、これまでの所蔵作品3点を加え、抽象と具象の狭間で独自の画業を構築した森芳雄の絵画世界を紹介します。そして森芳雄と共に生き、新しい絵画の創造に全身全霊を傾けた世田谷の仲間たちの作品もとりあげます。自由美術家協会の盟友・山口薫、難波田龍起、武蔵野美術大学の同僚・麻生三郎、須田寿、そして森が関係した画廊のグループ展のメンバー同士である脇田和らの油彩作品も一緒に展示します。森芳雄と切磋琢磨しあった同世代の画家たちの名作が一堂に会することで、久し振りに世田谷のみならず、日本を代表する昭和の洋画壇の熱い思いが蘇るでしょう。本展は当館の収蔵品のみの展示ですが、初公開作品も多く、是非この機会にご高覧頂ければ幸いです。また、小コーナーでは駒井哲郎(1920-1976)の詩情豊かなモノタイプの版画作品をまとめて展示します。(会期中、展示替えを行います。前期展示8/3~9/29、後期展示10/1~11/24)
ミュージアム コレクション(終了)
第Ⅰ部 麻生三郎と世田谷の作家たち第Ⅱ部 内井昇三コレクション 村山知義関係資料新規収蔵の麻生三郎作品を核に、麻生三郎と交流のあった山口薫、森芳雄、村井正誠、柳原義達らの作品を展示し、麻生三郎をめぐる人々の交流を紹介します。扇形の小展示室では、新規に収蔵された戦前の日本の前衛美術を代表する村山知義の作品と資料を展示します。
イベント(終了)
企画展「麻生三郎展 三軒茶屋の頃、そしてベン・シャーン」のねらいや見どころをわかりやすく解説します
イベント(終了)
イベント(終了)
イベント(終了)
企画展「麻生三郎展 三軒茶屋の頃、そしてベン・シャーン」のねらいや見どころをわかりやすく解説します
イベント(終了)
企画展「麻生三郎展 三軒茶屋の頃、そしてベン・シャーン」のねらいや見どころをわかりやすく解説します
イベント(終了)
2004年から企画展開催期間中の毎週土曜日に開催してきた名物イベント「100円ワークショップ」。小さいお子様から大人の方まで、どなたでもその場で気軽にご参加いただけ、その時に開催中の展覧会に関連した満足度の高い創作体験ができる人気講座です。麻生三郎展の期間中はオイルパステルを使った油絵風のカンバッチ作りをおこなっています。日 時:展覧会会期中の毎週土曜日 13:00~15:00場 所:地下創作室(創作室での制作は一度に10グループ[最大30名]まで)参加費:ひとつ100円企画・運営:世田谷美術館鑑賞リーダー(美術館ボランティア)
ミュージアムショップ
刊行物
「第Ⅰ部 麻生三郎と世田谷の作家たち」石井幸彦「麻生美智子氏に聞く」聞き手:酒井忠康、記録:石井幸彦、編集:石井幸彦、嶋田紗千 発行:世田谷美術館
ブログ
2019年11月24日(日)まで、当館の2階の展示室では、ミュージアム コレクション「森芳雄と仲間たち」を開催中です。1985年から晩年の10年ほど、世田谷に在住していた森芳雄(1908-1997)作品36点(一部寄託作品を含む)をご紹介しています。森芳雄は、武蔵野美術学校(現・武蔵野美術大学)で、1951年から長い間後進の指導に尽力しました。本展では、重厚なマチエールと心温まる画風の森芳雄の作品に加え、森芳雄が所属していた自由美術家協会の盟友や武蔵野美術大学教授時代の同僚などの作品もご紹介しています。森芳雄の作品森が、若い時期に渡仏した際、先に滞在して世話をし、自由美術家協会の会員同士でもあった山口薫(1907-1968)と武蔵野美術大学で13年、森と一緒に教え、世田谷の作家たちの交流の場であった白と黒の会でも一緒だった須田寿(1906-2005)。山口薫と須田寿の作品森とは自由美術家協会の会員同士で、白と黒の会のメンバーであった難波田龍起(1905-1997 )と森とは自由美術家協会の会員同士で、武蔵野美術大学で30年間共に勤務していた麻生三郎(1913-2000)。難波田龍起と麻生三郎の作品彌生画廊や壺中居、フジカワ画廊、日動画廊、サエグサ画廊、資生堂ギャラリーなどのグループ展で一緒だった脇田和(1908-2005)。脇田和の作品どの作家も昭和の洋画壇を代表する作家です。コーナー展示では、資生堂名誉会長・福原義春氏からご寄贈いただいた、銅版画家・駒井哲郎(1920-1976)の色鮮やかなモノタイプ作品を展示しています。駒井哲郎の作品いずれも、世田谷ゆかりの作家たちです。是非ゆっくりとご鑑賞ください。9月14日(土)からは、1階の展示室にて、「チェコ・デザイン100年の旅」が始まります。写真パネルは、今回、多数の作品をお貸しくださったチェコ国立プラハ工芸美術館の建物です。ミュシャのポスターをはじめ、食器や家具など約100年の様々なチェコ・デザインをご覧いただけます。エントランスに展示されたチェコ国立プラハ工芸美術館の…是非こちらもお楽しみください。