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これまでのコレクション展

終了

2023.08.05 - 11.19

ミュージアム コレクションⅡ
雑誌にみるカットの世界
『世界』(岩波書店)と『暮しの手帖』(暮しの手帖社)

開催概要

終戦後まもなく、それまで抑圧されていた言論が活気を取り戻しつつあった頃、雑誌の創刊や復刊も相次ぎ1946年に岩波書店より雑誌『世界』が、1948年には暮しの手帖社より雑誌『暮しの手帖』(当初は「衣裳研究所」より『美しい暮しの手帖』として)が創刊されました。
 『世界』は、岩波書店の創業者である岩波茂雄(1881-1946)の意志のもと、『君たちはどう生きるか』(1937年、初版は新潮社)の著者でもある吉野源三郎(1899-1981)を編集長に創刊された総合誌です。戦後日本の変化の激しい時代に、一貫して、日本の講和や安全保障、日韓問題、沖縄などの平和に関する問題を扱ってきました。また、志賀直哉「灰色の月」、安部公房「第四間氷期」をはじめ、文壇での主要な文芸作品が扱われたり、大江健三郎、中村雄二郎、山口昌男を中心に編纂された論集『叢書 文化の現在』(全13巻、1980-1982年、岩波書店)へつながる議論が展開されるなど、文化的に重要な記事が多数掲載されてきた雑誌でもあります。
 いっぽう『暮しの手帖』は、気鋭の服飾評論家であった花森安治(1911-1978)が大橋鎭子(1920-2013)と共に創刊した生活総合誌です。戦争の影響で物資の少なかった当時、生活に役立つアイデアを発信する雑誌としてはじまり、人々の暮らしが大量生産・大量消費型へ変化してからも、商品を実際に使用しデータを掲載した企画「日用品のテスト報告」などの良質な情報を提供し続けました。花森は自ら、原稿の執筆、取材や撮影、誌面レイアウト、表紙画、宣伝広告のデザインまですべての制作過程に携わりました。ともに日本の出版文化に大きな影響を持ち、今日まで続く雑誌です。
 近年、世田谷美術館では、岩波書店より『世界』カット原画、暮しの手帖社と土井藍生氏より『暮しの手帖』カット原画の寄贈をいただきました。『世界』では、中川一政や加山又造、駒井哲郎、飯田善國、宇佐美圭司、加納光於など、洋画、日本画、版画、彫刻、現代美術と、日本の近現代美術を牽引してきた多様な作家が起用され、それぞれに個性あるカットを寄せています。『暮しの手帖』では、創刊号よりほとんどすべてのカットを花森が手掛け、バラエティ豊かな画風で誌面を彩りました。
 本展では、これらの収蔵品より、『世界』と『暮しの手帖』、ふたつの雑誌のカット原画をご紹介します。おなじ時代を異なるかたちで歩んだ二誌の展開、そしてカットという表現にたしかにうかがえる、それぞれの描き手の魅力をご覧ください。

[コーナー展示] 魯山人の支援者――塩田岩治(しおだいわじ)と南莞爾(みなみかんじ)
小コーナーでは「魯山人の支援者――塩田岩治と南莞爾」として、書、料理、陶芸など多彩な分野で才能を発揮した北大路魯山人(1883―1959)の作品を展示します。当館が開館当初から収蔵している株式会社利根ボーリング(現・東亜利根ボーリング株式会社)の創業者・塩田岩治のコレクション(塩田コレクション)から、魯山人と塩田の交友関係を伺い知れる作品を紹介します。また、新たに加わった東京火災保険株式会社(現・損害保険ジャパン株式会社)の社長だった南莞爾氏ゆかりの魯山人作品2点を初公開いたします。

基本情報

会期:
2023年8月5日(土)~11月19日(日)
開館時間:
10:00~18:00(入場は17:30まで)
休館日:
毎週月曜日 ※9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開館、9月19日(火)、10月10日(火)は休館
会場:
世田谷美術館 2階展示室
主催:
世田谷美術館(公益財団法人せたがや文化財団)


●ご来館に際してのお願い《こちらをクリック》
●会期中、世田谷区立小学校美術鑑賞教室(対象:4年生)を実施いたします。日程表はこちら
 美術鑑賞教室のページはこちら

観覧料

(個人)
一般 200円/65歳以上 100円/大高生 150円/中小生 100円
(団体)
一般 160円/65歳以上 80円/大高生 120円/中小生 80円
  • 団体は20名以上
  • 世田谷区内在住、在校の小・中学生は土、日、祝・休日、夏休み期間は無料
  • 障害者の方:個人は100円(団体は80円)。ただし小中高大学生の障害者は無料。介助者(当該障害者1名につき1名)は無料
  • 学生証・障害者手帳など、確認できるものをご提示ください
  • 同時開催の企画展チケットで本展をご覧いただけます

開催概要

終戦後まもなく、それまで抑圧されていた言論が活気を取り戻しつつあった頃、雑誌の創刊や復刊も相次ぎ1946年に岩波書店より雑誌『世界』が、1948年には暮しの手帖社より雑誌『暮しの手帖』(当初は「衣裳研究所」より『美しい暮しの手帖』として)が創刊されました。
 『世界』は、岩波書店の創業者である岩波茂雄(1881-1946)の意志のもと、『君たちはどう生きるか』(1937年、初版は新潮社)の著者でもある吉野源三郎(1899-1981)を編集長に創刊された総合誌です。戦後日本の変化の激しい時代に、一貫して、日本の講和や安全保障、日韓問題、沖縄などの平和に関する問題を扱ってきました。また、志賀直哉「灰色の月」、安部公房「第四間氷期」をはじめ、文壇での主要な文芸作品が扱われたり、大江健三郎、中村雄二郎、山口昌男を中心に編纂された論集『叢書 文化の現在』(全13巻、1980-1982年、岩波書店)へつながる議論が展開されるなど、文化的に重要な記事が多数掲載されてきた雑誌でもあります。
 いっぽう『暮しの手帖』は、気鋭の服飾評論家であった花森安治(1911-1978)が大橋鎭子(1920-2013)と共に創刊した生活総合誌です。戦争の影響で物資の少なかった当時、生活に役立つアイデアを発信する雑誌としてはじまり、人々の暮らしが大量生産・大量消費型へ変化してからも、商品を実際に使用しデータを掲載した企画「日用品のテスト報告」などの良質な情報を提供し続けました。花森は自ら、原稿の執筆、取材や撮影、誌面レイアウト、表紙画、宣伝広告のデザインまですべての制作過程に携わりました。ともに日本の出版文化に大きな影響を持ち、今日まで続く雑誌です。
 近年、世田谷美術館では、岩波書店より『世界』カット原画、暮しの手帖社と土井藍生氏より『暮しの手帖』カット原画の寄贈をいただきました。『世界』では、中川一政や加山又造、駒井哲郎、飯田善國、宇佐美圭司、加納光於など、洋画、日本画、版画、彫刻、現代美術と、日本の近現代美術を牽引してきた多様な作家が起用され、それぞれに個性あるカットを寄せています。『暮しの手帖』では、創刊号よりほとんどすべてのカットを花森が手掛け、バラエティ豊かな画風で誌面を彩りました。
 本展では、これらの収蔵品より、『世界』と『暮しの手帖』、ふたつの雑誌のカット原画をご紹介します。おなじ時代を異なるかたちで歩んだ二誌の展開、そしてカットという表現にたしかにうかがえる、それぞれの描き手の魅力をご覧ください。

[コーナー展示] 魯山人の支援者――塩田岩治(しおだいわじ)と南莞爾(みなみかんじ)
小コーナーでは「魯山人の支援者――塩田岩治と南莞爾」として、書、料理、陶芸など多彩な分野で才能を発揮した北大路魯山人(1883―1959)の作品を展示します。当館が開館当初から収蔵している株式会社利根ボーリング(現・東亜利根ボーリング株式会社)の創業者・塩田岩治のコレクション(塩田コレクション)から、魯山人と塩田の交友関係を伺い知れる作品を紹介します。また、新たに加わった東京火災保険株式会社(現・損害保険ジャパン株式会社)の社長だった南莞爾氏ゆかりの魯山人作品2点を初公開いたします。

会場風景

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