Ars cum natura ad salutem conspirat

眩い黄金の中尊寺金色堂の諸尊


現在仙台市博物館で特別展「平泉~みちのくの浄土~」が開催中です。

この展覧会は、その後福岡市博物館に巡回し、来年の3月14日~4月19日には世田谷美術館で開催されます。

先日、仙台市博物館の展示を拝見しました。展覧会場には、なんと清衡、基衡、秀衡の三壇のうちの西北壇に安置されている、本尊阿弥陀如来、観音・勢至菩薩、地蔵菩薩六体、持国・増長の二天の全部で十一体の諸仏が揃ってお出ましくださっています。

現地の金色堂では右奥に安置されていて、遠くからしか拝観できない国宝中尊寺金色堂西北壇壇上諸仏(写真)を、この展覧会では間近で接することができます。

阿弥陀三尊に加え、行者を煩悩から守る二天、そして仏教の六道輪廻の世界からの救済を果たす六地蔵菩薩と、極楽往生を導いて下さる諸仏がこれだけ一堂に揃う構成は中尊寺独特なものです。

十一体の黄金の光をはなつ仏様たちの荘厳な世界は、藤原三代の「浄土」への並みならぬ祈願の深さを感じます。


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