Ars cum natura ad salutem conspirat

カテゴリー:休館中のセタビ2011


食べる絵 素朴派ランチinかすがい


世田谷美術館の休館中の活動として、昨年の春から小樽、市川、笠岡を巡回した「アンリ・ルソーと素朴な画家たち いきること えがくこと」展。素朴をテーマに52点の収蔵品で構成した企画展ですが、最終会場となる愛知県春日井市の文化フォーラムかすがいで1月21日オープンしました。各会場では展示のみならず、世田谷のボランティアさんたちがギャラリー・トークや100円ワークショップを行うなど活発な交流も行われています。

各会場担当者の力の入ったオリジナル活動も魅力的ですが、春日井では近隣のホテルとのコラボレーション、素朴派ランチが実現。オープンを前にこのランチをスタッフのみなさんと、ホテルプラザ勝川(かちがわ)のカフェレストラン・ソレイユにて試食してきました。前菜・スープ・メイン・デザートというコースですが、これがセラフィーヌの《枝》、ルソーの《フリュマンス・ビッシュの肖像》、ボーシャン《花》より生み出された創作ランチなのです。


セタビ Podcasting Vol.29


ゲスト:柏木 陽氏(演劇百貨店代表/演劇家)

ナビゲータ:塚田美紀(当館学芸員)



当館ワークショップ「誰もいない美術館で」で、ナビゲータをお願いしております柏木陽さんにお話を伺います。


写真撮影:丸谷裕一





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ご利用方法について(※PCでお楽しみください)


セタビのトリックアート(?)


工事は、着々と進んでおります。 今日は、その一部をご紹介いたします。

隣にある写真は、美術館の外壁の一部です。縦に白く見える部分は、長年できた亀裂を補修したところです。 

※写真下部の「詳細」をクリックして拡大画像をご覧ください。


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《凍土花》洗浄!


世田谷美術館の常設作品、伊藤公象《凍土花》。およそ1000個の独立した陶器のオブジェが窓外のテラスにびっしりと敷き詰められ、隅の方は壁を這い上がらんばかりに積み重なり、その全体でひとつの作品となっています。子どもたちにも大人気なため、当館鑑賞リーダーの最も愛着ある作品のひとつでもあります。しかし、20年以上の間、雨風にさらされて、最近ではだいぶ汚れが目立ってきておりました。


テラスに防水工事を行うこの機会を活かして、このたびこの作品を一時的に撤去し、洗浄いたしました。


美術館の空調のなぞ


世田谷美術館は、2012年の3月30日までお休みをいただいて改修工事を行っています。

我々職員は、館内の工事をしないエリアに仮事務室を構え、館外で行うワークショップの準備や来年度の展覧会準備をしています。毎日、「ギー、ギー」「ガァー、ガァー」「ドタバタ」など不思議な音が鳴り響いています。


主な工事は、25年間休まず働いた空調機の交換と配管の整備です。老朽化した空調機は、温湿度を一定に保ちにくく、そのために作品はダメージを受け易くなってしまいます。また、来館してくださるみなさまにも、快適に過ごしていただけなくなります。


特に作品を展示している展示室や作品を保管する収蔵庫は、作品保護のために24時間空調をかけ続けて温湿度を保っています。25年間休まず使用すると、216000時間も働いたことになります。時間で換算すると凄い桁です!


ビニールシートとガムテープのアート


いよいよ美術館の改修工事も本格的になってきました。

あちらこちらで、天井板が剥がされ、配管や配線などがむき出しになった状態で、とてもここが美術館とは思えない激変ぶりです。

大理石が敷かれたエントランスの床も工事作業で傷がつかないようにビニールシートで養生されていますが、さすがプロの方の養生です。全体はブルーのシートで覆っていますが、人がよく通る場所は少しクッション機能がある白いシートが上から貼られていて、ブルーのシートとのコントラストが絶妙なバランスです。さらに必然からだとは思うのですが、きれいに貼られたガムテープのラインが、まるで全体にリズミカルな動きをあたえているかのような効果を生み出しています。エントランス全体が一つの幾何学構成のアートになったようです。養生ひとつにも、貼っている人の美的センスが滲みでるものなのですね。


何もない美術館で


世田谷美術館は、現在改修工事で3月末まで休館中です。

今年26年目を迎えた世田谷美術館の建物は、さすがに様々な場所が老朽化し、傷んでいます。マンションや住宅でも、何年かごとに修繕が必要なように、美術館も今回、配管関係などバックヤードを中心に修繕を行います。配管などは、天井の裏などに設置されているので、今回の改修工事では、天井を落として作業をすることになります。そのため、置かれていたベンチなどの什器類をすべて、どかさなければならなくなりました。

これだけすっきりと何もない状態というのは、開館前以来はじめてのこと。

作品からインスピレーションを得てパフォーマンスをつくり、閉館後の美術館で発表会を行う当館の定番ワークショップシリーズ「誰もいない美術館で」にあやかって、「何もない美術館で」というところでしょうか。

美術館再開の時には、これまで飲み物の自動販売機があった、このガランとした地下のスペースに、新しくカフェがオープンします。ご期待ください!!


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