Ars cum natura ad salutem conspirat

カテゴリー:世田谷時代の岡本太郎


帰ってゆく作品たち


岡本太郎展でお借りした作品を返却する。

国立美術館から画廊、個人のお宅まで、お返しする先はさまざま。

がっちり梱包した作品をお借りした方々の前で開梱し、いっしょにチェックしていただく。


作業室とか応接間とか、展示室ではない場と光のなかで見る作品は違う表情をしている。“モノ”としての脆さを感じさせもする。画面に顔を寄せ、ひび割れや剥離などを確認しながら、改めてその作品が乗り越えてきた長い年月を思う。


「お疲れ様」と思わずつぶやきたくなる、緊張と安堵の入り混じる静かな時間が流れる。


講演会「岡本太郎と花田清輝」が開催されました


先週末の土曜日、5月19日の午後、当館にて現在開催中の<世田谷時代1946-1954の岡本太郎>展の関連企画として、徳島大学の鳥羽耕史氏をお迎えし、講演会「岡本太郎と花田清輝:戦後復興期の芸術革命思想」が開催されました。鳥羽氏がご用意くださった配布資料は全8ページにおよぶ大部で、講演の骨子および参考資料が多々盛り込まれたものでした。そこから推して知るべしということになるのかと思いますが、無論のこと講演そのものも非常に充実した内容で、緻密な組み立てに従って約90分間、ほとんど息つく間もなく聞き入ってしまいました。展覧会の担当者としては、展示空間だけでは語り尽くすことのできない事柄が、その関連のなかで、いくつもちりばめられていましたことが、何より嬉しく感じられました。


家族で楽しむ<お困りモンスター>


「世田谷時代1946-1954の岡本太郎」展の関連企画として会期中の毎週土曜日行っている『出でよ!お困りモンスター』。<子どもの日>だった今日は、お子さんだけでなく、お父さん、お母さん、そしてお祖父さん、お祖母さんまで3世代で参加されるなど、ファミリーで楽しむ方が大勢いらっしゃいました。普段、子どもや孫と一緒に真剣に自分も絵を描くなんてこと、意外とないかもしれません。はじめは、お子さんのことを気にしていた大人たちも、いつのまにか子どもよりも夢中になっていたり・・・出来上がったお互いのモンスターを見ながら会話も弾んでいました。

本日も、新たに約50匹のモンスターが、美術館の地下1階の無料休憩コーナーの壁面に加わりました。「世田谷時代1946-1954の岡本太郎」展にお越しの際は、是非、こちらも覗いてみてください。


「世田谷時代1946-1954の岡本太郎」展カタログ第2巻、ついに刊行!!


各方面よりご好評をいただいております(自分でいうのは変ですね)、開催中の「世田谷時代1946-1954の岡本太郎」展。このブログでも以前にお伝えしておりますが、現在販売している展覧会カタログは、岡本太郎と同時代の画家の絵画作品を中心に構成されています。で、ついに第2巻が今月28日午後より販売開始!岡本太郎がどのように「岡本太郎」となったかを考えた時、この巻で取り上げている文学者との交流がとても重要な事項なのでは、いやしかし…まさにそれこそが世田谷時代なのか!という、ひじょうに興味深い内容となっています。関連書籍、資料の図版、解説も盛りだくさんで、後々の資料性もばっちし。ぜひぜひお手にとって、ご確認ください。

第1巻と色違いの表紙もグーです。


双子の展覧会がスタートしました


4月21日、双子の展覧会「岡本太郎展」が、めでたく世田谷美術館と川崎市岡本太郎美術館でスタートしました。このうち世田谷美術館では太郎さんが上野毛に住んでいた世田谷時代にスポットを当てています。一方岡本太郎美術館は、青山時代(現代芸術研究所から太陽の塔まで)が中心。両方見くらべると、太郎さんの実像がいよいよ鮮明に立ち上ってくること請け合いです。

川崎市岡本太郎美術館ホームページ

http://www.taromuseum.jp


それぞれのお困りモンスター


「世田谷時代1946-1954の岡本太郎」展の関連企画として会期中の毎週土曜日行っている『出でよ!お困りモンスター』。今日はお天気も良く、美術館の地下の休憩コーナーでは、幼児から大人まで、大勢の人たちがそれぞれのモンスターを描いてくれました。早くも休憩コーナーの壁はお困りモンスターたちでいっぱいに。

眠気を誘うモンスターや時を食らうモンスターなど、いろいろなモンスターが登場するなか、実感がこもったモンスターは、子育て忙しいお母様たちが描いた<散らかし>モンスターや、<まとわり>モンスターなどの可愛らしいモンスターたちでした。

来週は、またどんなモンスターが出現するのでしょうか。


「世田谷時代1946-1954の岡本太郎」展 図録 第2巻が出ます!


「世田谷時代1946-1954の岡本太郎」展の図録は、第1巻が岡本太郎の作品と交流のあった同時代の作家たちの作品を、カラー図版と作家解説、太郎自身の文章の再録など豊富な内容でご紹介し、ご好評いただいています。そして、続く第2巻の図録が、これまた盛りだくさん。

第2巻は、今回展示されている500点近い関連図書、資料の約7割を、それぞれの解説とともにカラー図版で掲載するほか、関連文学者の作家解説あり、岡本太郎の世田谷時代を詳しく記した年譜ありと、贅沢な内容の図録となっています。もちろん担当学芸員のこの展覧会への思いがこめられたテキストも入ります。

2冊揃えば、あなたも岡本通に?!

ただ今、当館ミュージアムショップにて第2巻のご予約を受付中です。


岡本太郎<太陽の塔>のミニパイが添えられたレストランお勧めメニューが登場!


いよいよ「世田谷時代1946-1954の岡本太郎」展がはじまりました。美術館のレストラン「ル・ジャルダン」では、展覧会会期中、なんとあの岡本太郎の<太陽の塔>の形のミニパイが添えられたシェフのおすすめメニューが登場です!!本日のオードブルまたはスープに、メイン料理となる<太陽の塔>のミニパイ付の黒毛和牛の赤葡萄酒煮込み、そしてパンとコーヒー、または紅茶のセットです。(税込み2500円)お肉の苦手な方は、本日のお魚料理にしても、ちゃんと<太陽の塔>は付いています。

ちなみに私はまだ食べていませんが、会期中に是非奮発して一度は食べにいこうと思います。その時は、写真入りでご紹介したいと思います。

さて、肝心の展覧会の方では、当然、<太陽の塔>は出品されませんが、今回の展覧会は、<太陽の塔>へと繋がる岡本太郎の源泉を詳しく紹介しています。是非ご覧ください。~



ル・ジャルダン

http://www.setagaya.co.jp/le_jardin/index.html


世田谷時代1946-1954の岡本太郎展オープン


さてさて、長いこと準備してきた「世田谷時代1946-1954の岡本太郎」展がついに今日オープンしました。“あの”岡本太郎が、世田谷の上野毛に暮らしていたということを知っている人は、結構少ないのではないでしょうか。で、この頃の岡本太郎の活動を調べていくと、なかなか面白いです。

なにが面白いかというと、画家同士の交流はもちろん、文学者とも親しくして、親しいだけではなく、一緒に前衛芸術活動もしていたんです。で、さらにさかのぼって、戦前のパリ留学時代となると、哲学者と行動を共にし、パリ大学で民族学を学んでいる。というと、岡本太郎の全貌がじわじわと浮き上がってきそうですね。で、それがどんな活動だったかは、展覧会場でじっくり確認してください。よろしゅう。


砧の春


いよいよ「セタビブログ」のスタートです。最初のニュースは東京の桜情報。世田谷にも羽根木公園、都立祖師谷公園と桜の名所は結構多いのですが、この花がもつ妖しい魅力に浸るのなら、何といっても砧公園が一番でしょう。満開の花をつけた枝々が天を被い、そのまま下に降りてきて大地に接している、それはそれは見事な景観です。


満開に合わせて3月31日(土)と4月1日(日)、美術館前の広場でさくら祭が開かれます。福引きで、運がよければ一年分の展覧会チケットが当たるし、各日先着500名の方はルソーキャンディがしっかりもらえます(空くじもなし)。砧の春は、桜と「岡本太郎展」とイベントで沸き返るのです。


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