Ars cum natura ad salutem conspirat

アーカイブ:2007年08月


北大路魯山人展 ただいま巡回中


以前このブログでも紹介しました「北大路魯山人 ― 世田谷美術館所蔵塩田コレクション」展。

岡山県の笠岡市立竹喬美術館での展示が明日終了し、次の会場は福岡県の田川市美術館(9月8日~10月21日)です。で、来週その展示作業の立会いに行ってきます。田川市美術館の学芸員の方が、展示プランをきちんと作ってくれているので、きっと作業はスムーズにいくでしょう。そしてこの出張にあわせて、来年度の展覧会の調査もしてくるので、充実の一週間になりそうです。

田川市美術館の次は最後の会場となる埼玉県の川越市立美術館・川越市立博物館です。

「器たち」の長い旅はまだまだ続きます。

(写真は笠岡市立竹喬美術館での展示風景)


もうひとつの展覧会-駒井哲郎ミニ回顧展


美術館に行くと、つい賑やかな企画展を見て、収蔵品展の方はまた今度でいいか・・などと思って、結局見損ねることってありませんか?本当は東京国立博物館だって、本館の収蔵品展示のほうが入場料だってずっと安くて、国宝もけっこう展示されているにもかかわらず、なぜか並んでしまうんですよね、平成館に・・・

さて、現在開催中の当館の収蔵品展「夢からの贈り物-ルオー、ルドン、長谷川潔、駒井哲郎」も、実はとても充実した内容の展覧会なのです。


素敵な仲間 大募集!


「いや~暑い! こう毎日暑いと・・・」なんて書き出しを考えていたのですが、今日は夏も夏休み!とっても感じですごしやすい気候になっています。 ということは、絶好の美術館びよりってことですよね。 「青山二郎の眼」展も今日(18日)と明日(19日)の2日間だけになってしまったので、このチャンスにぜひぜひ世田谷美術館に遊びに来てください。

さて、皆さんが美術館に足を運んでくれるというお約束も済んだ(!?)ところで、お知らせがあります。

世田谷美術館は、向井潤吉さん、清川泰次さん、宮本三郎さんの作品を展示する分館を、それぞれ弦巻、成城、奥沢で運営しています。 今回はそのうちの「清川泰次記念ギャラリー」でアルバイトさんを募集します。


不思議なソファ


今年は暑い。とにかくやたら暑い日がつづいています。

こんなときはフラリと美術館へでも行って、適度に涼しいギャラリーのなかで、優れた美術品とゆっくり向き合う。これぞ身も心もキリリと引き締まる、最高の消夏法だとは思いませんか。

美術館にはどこでも、そんなお客様をお迎えする取って置きのスポットがあるもの。世田谷美術館でいえば、企画展(「青山二郎の眼」展)の出口に備えられた洒落たソファがそれに当たります。小さくてあまり目立たないけれど、何を隠そうソットサスでもハンス・ウェブナーでもなく、わが国を代表する家具デザイナー・長大作が手がけた「ペーラゴチェア」。去年の「クリエイターズ」展にも並べられた、波型の背が印象的な逸品です。

ここに座ってしばし休憩していただくと、記録破りの猛暑も何のその。ふたたびやる気が沸いてくるから不思議です。


伝統と革新と


8月8日、教育関係者むけ講座「ミュージアム・セッション」で行うレクチャー「手でみる美術のはなし」の講師、イタリア・トリノ大学教授のファビオ・レヴィさんと打ち合わせをしました。レヴィさんは20年にわたり、視覚障害者が美術作品を見るための方法や教材について研究してきた方ですが、その結果、目が見えない人だけでなく、見える人も新鮮な視点から美術を学べるクリエイティヴな本を数多く世に問うています。写真はレヴィさんの名刺(葉書大、アルファベット&点字併記)にあるロゴ、“世界を見る手”。かわいらしく暖かい太陽のようでもあり、レヴィさんの活動のイメージが伝わってきます。


世田谷美術館の夏休み その2


馬事公苑で毎夏おこなわれている世田谷区民祭をご存知ですか? 世田谷は地方から出てきた住人も多いとのことで、各地の出店が名産品を売ったり、これまた各地の神輿や踊りや音楽などで盛り上がる大規模なお祭です。各地の地ビール飲み比べ、美味しいものの食べ比べは、堪えられませんね。今年は8月4日、5日の開催です。

さて、その区民祭ですが、美術館が毎年出店していること、あまり知られていないようですね。商店街の出店の先にある「暮らしの情報」というコーナーで、「せたがや文化財団」として世田谷文学館や世田谷パブリックシアターと一緒にスペースを構えています。ゲームをしたり、ミュージアムグッズを売ったりしていますが、ここだけの話し、ゲームの景品は結構大盤振る舞いですよ! 区民祭にいらした際は、ぜひお立ち寄りください。

また、4日土曜日16時~18時は、大人から子供まで楽しめる「指名手配」というゲームをおこないます。区民祭会場からアンリ・ルソー、青山二郎、ガラスの仮面の北島マヤに扮した人を探しだす趣向です。見事、3人見つけ出した人には、なんと!世田谷美術館オリジナル「ルソーキャンディ」と開催中の「青山二郎展」のチケット、世田谷文学館で開催中の「ガラスの仮面展」のチケット、更に世田谷美術館で9月2日までの土日に開催している「100円ワークショップ参加券」をもれなく差し上げます!

参加ご希望の方は、4日15時以降に区民祭会場「せたがや文化財団」のスペースを訪ね、「指名手配専用台紙」を受け取ってください。先着100名様です。お待ちしております。


世田谷美術館の夏休み その1


さて、8月です。夏真っ盛りです。美術館には、毎日、宿題をかかえた中学生たちが来ています。彼らは、世田谷区中学校美術鑑賞教室の子供たちです。夏休み期間は鑑賞リーダー(美術館ボランティア)が美術館に常駐し、彼らの案内をおこなっています。

ちょっと人聞きが悪いのですが、内輪ではこの夏休みの活動を「ナンパ」と称しています。中学生ともなると恥ずかしいのか、面倒くさいのか、声をかけても「結構です」と無碍に断られたり、無視されてしまうことも。それでも懲りずに、興味を引くように声をかけるのがナンパと呼ばれるようになった理由です。もちろん、しつこくするのはご法度。これもナンパの仁義です。

見たいように見ればいい、声をかけるなんて、押し付けがましいじゃないか!・・・ごもっともです。しかし、前にこんなことがありました。開館時間の10時を3分過ぎた頃に、エントランスのあたりに中学生たちがいるのを見かけ、展示室の中で待っていたのですが、一向に来る気配がない。すると横にいた監視さんが一言、「あの子達、10時丁度にはいって、もう見終わって出たんです」・・・・。いくらなんでも、それではもったいない。せめて、10分くらいは展覧会を見てくれなければ、宿題だって書けるわけもない。そうして始まったのがナンパ式のご案内です。

鑑賞リーダーは9月2日まで、10時~16時、毎日展示室におります。怪しまないで、宿題の質問など、どしどし声をかけてください。


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