Ars cum natura ad salutem conspirat

展覧会の舞台裏


ひと雨ごとに冬の足音が近づく今日この頃です。

宮本三郎記念美術館でもいよいよ第Ⅱ期展のフィナーレをむかえているところです。


8月の暑い時期からはじまった今期の展示は、

戦争記録画を中心とした重厚なテーマだったこともあり、

いつにもまして多くのお客様に関心を持っていただき、

好評のうちに終了をむかえることができました。

御礼申し上げます。

さて、ひとつの展示が終了すると、

1週間程度の休館期間をいただきます。

この間スタッフも展示が終わってほっとひとやすみ…というわけではありませんよ。

次の展示に向けて絵の引っ越し作業が行われているのです。


あまり知られていませんが、

宮本三郎記念美術館には、油彩画300点、素描は3000点もの収蔵作品があります。

学芸員はそれらの作品からテーマに沿った作品を選び出し、必要があれば修復をし、配置を決め、照明を調節し、

それぞれの作品にとって最高の舞台を演出するのです。

展示替えのお休み期間は普段にもまして忙しい時期です。

専門の運送業者の方や、キャプション、パネルの作成をしてくださる方、作品の額装にかかわる方など

たくさんの方がたの支えがあって展覧会は開催することができます。


どうですか?

すこし展覧会の裏側を想像していただけたでしょうか。


さて、次回の展覧会は、

12月4日(土)から「宮本三郎と連載小説」と題して当時新聞に連載された獅子文六『大番』の挿絵や、

連載小説のスクラップブックなど初公開の資料を数多く交えての展覧会となります。

色彩豊かな油彩の作品も魅力的ですが、

宮本三郎の卓越した素描力にもぜひ注目していただけたらと思います。


スタッフ一同心よりお待ち申し上げております。


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