Ars cum natura ad salutem conspirat

名陶「白袴」


オーストラリアの西南端に、バンバリーという街があります。

6月13日、そこの市長ご一行が、世田谷美術館を訪問されました。皆さん「青山二郎の眼」展をご覧になって、中国・朝鮮・日本の珍しい骨董品にうっとり。とくに市長夫人は、もともとオーストラリアの文化振興で活躍している大の美術ファンとあって、白磁丸壺「白袴」(大阪市立東洋陶磁美術館蔵)のまえに釘付けでした。青山が「人の一生に一度出会うかどうかの逸品」と激賞した、ふくよかで、まろやかな名陶をながめた後、ふと一言、こうおっしゃいました。

「この壺がつくられたとき、私たちのオーストラリアはまだ出来ていなかったわ」


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