Ars cum natura ad salutem conspirat

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インターン実習


世田谷美術館では1996年から小学校の「美術鑑賞教室」(詳しくはセタビブログ2011.5.27を見て下さい。)をより充実させるために東京学芸大学の学生をインターン生として受け入れています。

今年は9名がインターン実習に参加しています。

彼ら、彼女らの大学での研究内容は、文化財や社会など多様です。

インターン生は4月から12月までの半年以上、週に一度、美術館に来て勉強会をしています。


今年は7月から美術館自体が休館になるため、10月から12月の間に当館を代表する作品である素朴派の授業をおこなうことになりました。

小学生に授業をする前に、子どもたちとの触れ合いを体験してもらうため、今年はインターン生も、休館前の6月までおこなっていた美術鑑賞教室に参加しています。子どもたちがグループに分かれ、美術館鑑賞をする際に、一緒に回る役を任せています。

日常生活で小学生と出会うことのない学生は、最初のうち、子どもたちの反応に戸惑うこともあったと思います。しかし積極的に子どもたちと触れ合うことでだんだんと、その戸惑いの理由がわかるようになったり、それぞれがもっていた不安が楽しみに変わったりしていきました。

インターン生たちは、まるく円になり、勉強会をしています。美術鑑賞教室での個々人の感想を聞く時は、その円が静かな熱を帯びています。「作品のない部屋で、建築の形から発想を得て、子どもたちがダンスを始めておもしろかったです!」、とニコニコと笑顔で話す学生、「グループ内のそれぞれの子どもたちの興味が違うので一緒に行動することが難しかったです…。」、とうつむき加減で自省する学生、「自分が楽しいと子どもたちも楽しそう。自分の気持ちが子どもたちに伝わるのだと感じています。」、と確信をもって話す学生…、など。

子どもたちの発想に感動したり、子どもたちの様子を肌で感じることで自分がどのように子どもたちと接していくとよいのか、という課題もできていました。みな小学生と一時を共にした後、「うまくいかなかった」と落ち込んだり、「最初から泣いてしまった子どもがいた」とショックを受けていたり、多くのことを感じ取っていました。単純に楽しいことばかりではなかったはずなのに、「とても楽しかった」と興奮気味に伝えてくれたことが印象的でした。


インターン生は前述どおり、小学校に出張授業に行くため、これからその準備期間に入ります。まずは素朴派の勉強をして、素朴派の作品を展示しているところに本物を見に行って学生自身がよく鑑賞をして、その後、遊びをとりいれた楽しい授業を考え出します。

またセタビブログでも彼らの様子をお伝えしますので、お楽しみに…。


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