Ars cum natura ad salutem conspirat

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アートライブラリーで対話を深める


世田谷美術館は今、企画展「村山知義の宇宙」が終了し、9月15日からの「対話する時間」展の準備を進めているところです。


2階奥のアートライブラリーでは展覧会ごとに関連した資料を用意しております。先日終了した村山展でも、来室された皆様に『Mavo』『構成派研究』『コドモノクニ』などの村山の資料を手にとっていただくことができました。そんな中、私が意外に感じたのは、牧野虎雄の資料のお問い合わせが、1件2件ではなかったことです。800点を超える多くの出展作品の中で牧野虎雄の作品はたった1点であったのに。じっくり鑑賞してくださったことが窺い知れると同時に、それぞれの見方がありおもしろいと感じました。ちなみに展示されていたのは、私が密かに慕っている和達知男の家の庭を描いた《花苑》という1枚でした。

さて、次回の「対話する時間」展でも、アートライブラリーでは出品作家の関連資料を展示いたしますので、資料をめくりにぜひ足を延ばしてください。

脇田和、ジョアン・ミロ、舟越桂、ラウシェンバーグ、魯山人に草間彌生…総勢69名の作家の作品が並ぶ展覧会。あなたがこころ惹かれた作家の資料をお手にとってご覧ください。生い立ち、ひととなり、歴史的背景、言葉にした思い・・・わかればますます対話を深められると思います。


また、今回の展覧会では1986年の開館以来の収集活動を通して、世田谷美術館の軌跡も垣間見ることができます。この間、収集と並行して行われた展覧会は150を超えます。そのうち「対話する時間」展出品作家の世田谷美術館での個展の図録(約30冊)をご用意いたします。この他にも海外の美術館で行われた個展の図録もご覧いただけるようになっていますのでお楽しみに!


アートライブラリーは、どなたでも自由に資料の閲覧ができます。対話を深めるためにご利用いただけたら嬉しいです。


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